KTM950SMR
Machine Products Circuit run Twmc-Info

 

KTM950SMR(LC8)  PUM 

お客様からレポートをいただきました。

パワーアップメンテナンスの肝はセッティング、仕上げの吸気設定で魂を吹き込みます。

しかしTWMCではLC8に対応するPUMは初めてということで LC4の場合はこちら

PUM作業後の初期セッティングにおいて、店頭で一発設定するのは困難と判断

お客様に「ナガ〜イ目でセッティングしていってください」と御願いして、PUMをお受けいたしました。

さてその後どうなったでしょうか。

結構楽しんでおられるようですな( ̄ー ̄)・・・ではレポートをご覧下さいませ。

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KTM950SMRでPUMを実施しました。
PUMにいたった理由は主に以下の点から。

1. 以前同じ系統のLC8エンジンを積む990Super Dukeに乗っていたが、パンチのあるエンジン特性で面白かった。1-2速ならフロントガバガバ浮くし。。。
Super Dukeはインジェクションの999cc、SMRはキャブレターの942ccで、SMRの方が全体的に性格は穏やか。まあ、CVキャブだし、とーぜんか。それでもガバガバ浮くのは変わらないんだけれど。とはいえやはり05年式Super Dukeの鬼レスポンスには及ばない。で、キャブレター仕様はそのままにもう少しパンチの効いたエンジン特性にできないか?、と思っていた。

2. 簡単にできるもので、と考えたけれど、アフターマーケットパーツもほとんどないし何よりLC8をイジッたという話を聞いたことがない。もしかしたら990の部品が流用できるのでは?パーツリストを見比べっこしてみるものの、990は燃料の噴射量を自在にできるインジェクション仕様前提なので、すんなりと流用できるパーツ(カムとか)は限られそう。部番もかなり違うし。。。そもそも、そんなことするなら990SMに買い換えたほうが早いな。。。

3. ということはメカチューンで何とかするか?けれどほかにLC8をいじった話なんて聞いた事ないので、できればノーマルのダメなトコロを改善する形で何かできないかな?と。

上記の条件でいろいろ探したところ、TWMCで意見が一致したのでPUMお願いしてみました。

で、TWMCに預けてたったの1週間、PUMを終えたSMRが帰ってきました。
早速ちょろっと近所を試走。感想は…

うへ、何ですかコレ。いつものつもりでスロットル開けるといつもより早いタイミングでフロントが持ち上がってきます。いーじゃんいーじゃん、と近所を一回り。なんとなーくキャブセッティングが濃い気がしますが、吹けあがりは明らかに以前よりガツガツしています。回転が伸びていく感じが明らかに変わっています。以前よりも早いタイミングで吹け切ってしまうようです。

街中ではあんまりスロットル開けられないので、そのまま第三京浜へ。街中では1-3速までしか開けられませんが、第三京浜ならさらに上のギアで開けられます。ここにきて初めて、スロットル開け始め〜中間が濃いようだということがわかってきました。
SMRのキャブは京浜CVRのダウンドラフト、つまり不圧キャブですね。なのでアクセル開度と実際のスロットルバルブの開き具合は必ずしも比例していないのですが、ごく小さい開度でスロットルを固定するとエンジンがギクシャクして非常に走りヅライような気が。
直線ぶっ飛ばすだけならいいのですが、道路っていうのは曲がってたり前に車がいてアクセル閉じたり開けたりしてるんで、非常に気になります。
で、この時点、PUM終了後のキャブ仕様はメインを155→210(!)に変更して、エアクリーナの小蓋2つ(1辺12〜3cmの三角形の蓋が2箇所ある)をはずした状態。まだまだ未セッティングの状態ですな。

それで今度はメインジェットを少ししぼって195へ。これで高回転の吹け上がりが格段に良くなりました。ただスロットル開け始めの位置で薄いような症状が出ます。回転が高い状態でエンブレかけるとやはりボコつきます。どうやらアクセル開度1/2以下で薄いようです。
ということでニードルのクリップを調整。あと、さすがにエアクリーナーのどてっぱらに穴が空いたママではカッコよろしくないので、タンク真下、キャブの真上の見えないところで70oの穴を2つばかり開けてみました。こうなるとエアクリーナーが用をなさないので、純正のエアクリーナーを取っ払ってスポンジ製湿式のエアクリーナに変更。スローは純正45なのですが、48あたりが調子良いということが分かりました。
これでスロットルの開閉に伴うエンジンのレスポンスは格段に良くなったのですが、パーシャルで高速道路を流しているとぎくしゃくするので、細工のしてあったダイアフラムのスプリングをいったんノーマルに戻しました。

さらに完調にすべく色々いじっていたんですが、TWMCからバイクが戻ってきた1ヶ月後に子供が生まれました!すっかりバイクがいじれなくなったので、秋口に一旦MJ165(ノーマルは155-160)、スロー45に戻しエアクリーナも穴なしに戻しました。この仕様で中回転以下はノーマル+α、高回転はノーマルと同程度で回ります。

感覚的には6速で回転の頭打ちがゆったりしているので、混合気さえ送り込めばまだまだ燃やす余裕があるような感じです。しかも!このセッティングで2速70km付近からアクセルだけでフロントアップに持ち込めます。上げた後もスロットルだけで上がり具合が調整可能。ノーマルでも60km+程度で同じように上げられますが、同じようにアクセルだけで上げ具合を調整できるようとスプロケットをイジると、今度は70kmでは上げづらくなってしまいます。

運動性能的には、フルサイズのサーキットではリッターSSに敵いませんが、トミンや山梨などのミニサーキットなら、充分ついていけて(そもそもの腕の差は除く)、かつパワーリフトやらパワースライドやらが出来てしまいます。サーキットで真剣に走りこむなら、そろそろタイヤをBT002とかのハイグリップにしてもよいかな、とさえ思っています。

暖かくなって時間ができたらもう少し燃料を送り込めるようなセッティングに取り組もうと思っていますが、現状のままでも当初の目的のレスポンスの良さが達成できたと思います。しかも、セッティングによりキャブの曖昧さも十分出せるので、本当にマルチパーパスなエンジンに仕上がりました。
昨今KTMのLC8はすべてインジェクションの990になってしまいましたが、これだけ遊べるなら950キャブ+PUMがお勧めです。宣伝見たくなりましたが、950LC8のオーナーには990への買い替えよりもこちらをお勧めしますね。(まあ、KTM下取り安いってのもありますけど)

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